クマ取りのダウンタイムの症状と適切な過ごし方を解説
記事監修医師プロフィール
アリエル美容クリニック郡山院 院長
安齋誠基
- 岐阜大学医学部医学科 卒業
- 上都賀総合病院
- 大手美容クリニック 院長
クマとりの施術では、内出血や赤みなどのダウンタイムが生じる可能性があります。
個人差はあるものの、数日で収まる方もいれば、2週間以上症状が長引く方もいます。
ダウンタイムを早く落ち着かせるためにも、術後は医師の指導に従って、適切で過ごす必要があります。
今記事では、クマとりで起こりうるダウンタイムの症状や、ダウンタイム中の適切な過ごし方などを解説します。
クマ取りの種類と特徴
目の下のクマは大きく分けて3つの種類があります。それぞれのクマには異なる特徴と原因があり、適切な治療方法も異なります。黒クマは影が原因、茶クマは色素沈着が原因、青クマは血行不良によって生じるものです。それぞれのクマの特徴を理解し、適切な治療法を選ぶことが大切です。
黒クマ
黒クマは、目の下の脂肪のたるみが影を作ることで現れます。加齢によって目元の筋力が低下すると目の下の脂肪が前に押し出され、膨らみが目立つようになります。その膨らみに影ができることで「黒クマ」が生じます。また、紫外線によるダメージや、加齢による皮膚内のコラーゲンの減少も影響を与えます。治療法としては、脂肪を取り除く脱脂や、たるみを改善するリフトアップが有効です。
茶クマ
茶クマは、目の下の皮膚にメラニン色素が沈着することで現れるクマです。過去の肌ダメージやこすれ、摩擦、紫外線の影響により色素が蓄積され、茶色っぽい影として現れます。皮膚そのものが色づいているため、リフトアップや脂肪除去では改善されず、美白治療やレーザー治療が有効な場合が多いです。
青クマ
青クマは、目の下の血行不良によって生じるクマです。目元の皮膚が薄く、下の血管が透けて見えることで青みがかった影が現れます。長時間の目の酷使や睡眠不足、冷え症などが原因となり、血液の滞りがクマの形成を促進します。青クマの場合、ホットタオルを使用して温めることや、適切なスキンケアがおすすめです。
クマ取りの施術方法とダウンタイム
クマ取りには、さまざまな施術方法があり、クマの種類や個人の状態によって適切な治療法が異なります。以下では、代表的なクマ取り施術の内容とダウンタイムについて説明します。
切らないクマ取り(経結膜脱脂)
経結膜脱脂(けいけつまくだっし)は、目の下の脂肪を取り除く非切開の施術です。まぶたの裏側からアプローチし、余分な脂肪を取り除くことでクマやたるみの改善を目指します。
施術内容
まぶたの裏側から小さな切開を行い、眼窩脂肪を取り除くことで、目元のクマやたるみを解消します。傷が外から見えないため、目元の見た目を維持しつつクマの改善を目指せます。
ダウンタイム
経結膜脱脂のダウンタイムは比較的短く、術後の腫れや内出血は2〜3日後に強く現れ、1〜2週間程度で徐々に引いていきます。
ハムラ法(下眼瞼脂肪再置換)
ハムラ法は、目の下の脂肪を再配置し、たるみを改善を目指す施術です。脂肪を除去するのではなく、目元の凹みを埋めるために脂肪を移動させる手術です。
施術内容
ハムラ法は目の下の脂肪を除去するのではなく、再配置することでクマやたるみを解消が期待できす。凹んで見える部分を埋めることで、若々しい目元に近づけます。
ダウンタイム
術後には腫れや内出血が2週間程度続くことがあり、完全に腫れが引くまでには1ヶ月以上かかることもあります。
裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)
裏ハムラ法は、結膜側からアプローチして脂肪を移動させる方法で、外部に傷が残らない点が特徴です。主にクマや目元の凹みの改善を目的としています。
施術内容
まぶたの裏側から脂肪を移動させるため、外から傷が見えない状態で施術が可能です。目元の凹みを自然に埋め、若々しい印象を与えます。
ダウンタイム
ダウンタイムは、軽度の腫れや内出血が1〜2週間程度続くことが一般的ですが、完全な回復までには数週間かかる場合もあります。
クマ取りのダウンタイム中の症状
クマ取り後には、さまざまなダウンタイムの症状が現れることがあります。これらの症状に備えて、適切な対処法を理解することが重要です。
腫れ・むくみ
クマ取り手術後、腫れやむくみが現れるのは自然な反応です。特に目元はデリケートな部位であるため、手術による刺激で腫れが数日続くことがあります。腫れは個人差がありますが、3日~1週間で徐々に改善していきます。頭を高くして寝るなど、むくみを抑える工夫が有効です。
内出血
クマとりのダウンタイムでは、内出血が起きることが多いです。
ただし、すべての方に内出血が現れるわけではありません。
内出血が現れるのは、手術した方のうち1割程度です。
少し目立つ内出血でも、2週間程度で落ち着いていくでしょう。
濃さもファンデーションやコンシーラーなどで隠せる程度なので、目立たせなくすることは可能です。
眼鏡やサングラスなどでカバーするのもおすすめです。
赤み
施術後に目元の赤みが出ることがありますが、これは皮膚が手術による刺激に反応しているためです。赤みは軽度の場合が多く、1〜2週間で自然に消えることがほとんどです。冷やしたタオルで患部を軽く冷却することで、赤みを和らげることができます。
痛み
切開を伴うので、施術後に痛みが生じる場合があります。
施術中は麻酔を聞いているのでほとんど痛みはありませんが、麻酔が切れた後に徐々に痛みが出てきます。
痛みのピークは当日〜3日程度です。
もし、1週間たっても痛みがひかない場合は、医師に相談してください。
血の涙が出ることがある
クマ取り後に血の涙が出ることがありますが、一時的なもので通常は数日で治まります。これは施術によって眼窩周辺の血管が刺激を受けたために起こる現象で、特に経結膜脱脂法など目の裏側から行う施術で見られることがあります。血の涙は怖いものではありませんが、持続する場合や異常に感じる場合は医師に相談することが推奨されます。症状が重くなることは稀ですが、適切なケアが大切です。
クマとりのダウンタイム中の適切な過ごし方
クマとりにはダウンタイムがあります。
個人差はあるものの、早い方で数日、遅い方で2週間程度ダウンタイムが続くでしょう。
少しでもダウンタイムを終わらせるためにも、術後の過ごし方にはいくつかのポイントがあります。
- 頭を高くして寝る
- 患部をしっかり冷やす
- 飲酒・入浴・激しい運動を避ける
- 目元に刺激を与えない
- 目を酷使し過ぎない
- 漢方薬の服用
上記の過ごし方のポイントを、詳しく解説します。
頭を高くして寝る
クマ取り後の腫れやむくみを防ぐためには、頭を高くして寝ることが有効です。これは、顔の血液やリンパの流れを促進し、腫れを軽減するための重要な方法です。通常の枕よりも高めの枕を使用し、横向きやうつ伏せではなく仰向けで寝ることが推奨されます。この方法をダウンタイム期間中に続けることで、より早く回復することが期待できます。
患部をしっかり冷やす
施術後は、患部をしっかり冷やすようにしましょう。
炎症を起こしている部分を冷やすことで、早く症状を落ち着かせられる可能性が高くなります。
清潔なタオルに保冷剤を包んだものや、袋に水と氷を入れたものなどで、やさしく冷やしましょう。
冷やしすぎると逆に負担を与えてしまうので、1回5分程度を目安にしてください。
間違っても、保冷剤をそのまま当てるのはやめましょう。
凍傷になるリスクがあるため、必ずタオルで包んでから当ててください。
飲酒・入浴・激しい運動を避ける
クマ取り後、血行が過度に促進される行動は腫れや内出血を悪化させるリスクがあるため、飲酒や入浴、激しい運動は控えましょう。これらの行動は手術後の敏感な状態にある目元に不要な負荷をかけ、回復を遅らせる可能性があります。特に手術後1〜2週間程度は、温かいシャワーや軽い日常生活に留め、血行を急激に良くするような行動はできるだけ控えるようにしましょう。
目元に刺激を与えない
術後の目元は非常にデリケートな状態であるため、刺激を避けることが重要です。具体的には、コンタクトレンズの装着や目元へのマッサージなどを控え、自然な回復を促す必要があります。目元をこすることも避け、できるだけ触らないように注意しましょう。刺激を最小限に抑えることで、ダウンタイムを短くし、より早い回復を目指せます。
コンタクトレンズの装着を控える
クマ取り後は、コンタクトレンズの装着を控えるべきです。これは目元の皮膚や組織が術後敏感な状態にあるため、コンタクトレンズを装着すると刺激を与えてしまう可能性があるからです。通常、術後1週間程度はメガネを使用し、医師の許可が出た後に再びコンタクトレンズを使用するようにしましょう。
目元へのマッサージを避ける
目元へのマッサージは、クマ取り後には避けるべき行為です。手術後の目元は敏感な状態であるため強いマッサージや押しつけが腫れや内出血を悪化させる可能性があります。マッサージを行うのは、完全に回復してからが良いでしょう。術後しばらくは、目元を触らないように心がけてください
目を酷使し過ぎない
クマ取りの術後、目を酷使することは回復に悪影響を及ぼす可能性があります。長時間の読書やパソコン作業、スマートフォンの使用などは目元の疲労を引き起こし、腫れや痛みを悪化させる可能性があります。特に術後1週間程度は目をできるだけ休め、眼精疲労を避けるように心がけましょう。また、ブルーライトカットのメガネを使用したり、定期的に目を閉じて休憩を取るなど、目に優しい生活習慣を取り入れることが推奨されます。
漢方薬の服用
クマ取り後の回復を早めるためには、漢方薬の服用も有効です。特に血行を改善し、むくみや腫れを和らげる効果のある漢方薬が推奨されます。代表的なものには「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン」や「加味逍遥散(カミショウヨウサン」などがあり、これらは冷え性やむくみの改善にも効果が期待できます。ただし、漢方薬の使用は自己判断でなく、医師や薬剤師に相談した上で行うことが重要です。術後の体調や体質に合わせた処方が適切です。
クマ取りのダウンタイムに関するよくある質問
クマ取りのダウンタイムに関する質問には多くのものがありますが、特にクマの種類や痛み、仕事や学校への復帰時期に関するものがよく見られます。術後の腫れや内出血のピーク時期についても、患者様の不安を軽減するために事前に知識を持つことが大切です。以下でよくある質問に対して詳しく解説します。
クマの種類の見分け方は?
クマの種類は主に黒クマ、茶クマ、青クマの3種類に分かれます。黒クマは目元のたるみによって影ができることで生じ、加齢による影響が大きいです。茶クマは色素沈着が原因で、紫外線や摩擦が主な要因です。青クマは血行不良によるもので、冷えや疲労が引き金になります。これらを見分けるためには、目元の状態を観察し、クマの色や形状に注目することが必要です。
クマ取りは痛い?
クマ取りの手術は局所麻酔を使用するため、施術中の痛みはほとんど感じません。しかし、術後は軽度の腫れや内出血、引きつり感が生じることがあります。この痛みは個人差がありますが、痛み止めを服用することでほとんどの場合は和らぎます。痛みが長引く場合は、担当医に相談して適切な処置を受けることが大切です。痛みの程度や期間は施術方法によっても異なります。
クマ取り後に仕事や学校を休む必要がある?
クマ取り手術後に仕事や学校を休む必要があるかどうかは、施術の種類と個々の回復力によります。たとえば、切らないクマ取り(経結膜脱脂)の場合、ダウンタイムが短く、腫れや内出血が軽度であれば、翌日から仕事や学校に復帰できる場合もあります。一方、切開を伴う手術では、腫れや内出血が目立ち、完全に治るまで1~2週間程度休むことが推奨される場合があります。個々の状況に応じて、担当医と相談し、適切な復帰時期を判断しましょう。
クマ取り後のダウンタイムはどのくらい?
クマ取り手術のダウンタイムは施術方法によって異なります。経結膜脱脂のような切らない方法の場合、軽度の腫れや内出血が見られるものの、1週間程度で回復することが多いです。ハムラ法や裏ハムラ法といった切開を伴う手術の場合、腫れや内出血が目立ち、完全に回復するまで2〜3週間を要することがあります。施術前にダウンタイムについてしっかりと確認し、スケジュールに合わせた計画を立てることが大切です。
クマ取りの腫れのピークはいつ?
クマ取り手術後の腫れのピークは一般的に術後2〜3日目とされています。特に切開を伴う手術では、この時期に最も腫れが強くなることがありますが、徐々に収まり、1週間ほどで日常生活に戻れる程度に改善されます。経結膜脱脂などの切らない手術では腫れが軽度であり、ピークも比較的短期間で済むことが多いです。腫れを抑えるためには、術後に患部をしっかり冷やすことが有効です。
クマ取りのダウンタイム中に使える言い訳例
クマ取りのダウンタイム中、腫れや内出血が目立つ場合、周囲に気づかれることがあるかもしれません。こうした場合には、「最近目が疲れていて」「アレルギーが出ちゃって」など、目元に負担がかかった理由を説明することが良いです。あるいは、「目元のスキンケアを強化しているんだ」と、美容ケアを強調してさりげなく説明する方法もあります。
クマ取りならアリエル美容クリニック郡山院で
クマ取りを検討している方は、信頼できる医師のもとで施術を受けることが大切です。アリエル美容クリニック郡山院では、患者様一人ひとりに合わせたカウンセリングを行い、最適な施術を提供しています。また静脈麻酔を使用できるので、寝ているうちに施術を終わらせることができるため、痛みの心配はありません。ダウンタイム中のサポートも充実しており、前向きな気持ちで治療が可能です。クマ取りに関する不安や疑問がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
クマ取りの手術には、施術方法や患者様の状態によってダウンタイムの症状や期間が異なります。特に腫れや内出血は避けられないものの、適切なケアと過ごし方で回復を早めることができます。クマの種類や施術内容に合わせた治療を選択することで、より良い結果が期待できるでしょう。クマ取りを検討している方は、信頼できるクリニックでのカウンセリングを受け、自分に合った施術方法を見つけることが大切です。