鼻中隔延長の失敗例と後悔しない方法
記事監修医師プロフィール
アリエル美容クリニック郡山院 院長
安齋誠基
- 岐阜大学医学部医学科 卒業
- 上都賀総合病院
- 大手美容クリニック 院長
「鼻を高くしたい」「上向きの鼻を改善したい」など、鼻の形で悩んでいる人も多いのではないでしょうか。美容整形の一つである「鼻中隔延長」は、自身から採取した軟骨を鼻に移植することで、鼻を高くしたり角度をつけたりして、理想の鼻を目指す施術です。
しかし施術には常にリスクが伴い、期待していた結果が得られなかったり、後々問題が生じたりすることも少なくありません。
本記事では、鼻中隔延長で起こり得る失敗例と後悔した症例を紹介します。併せて、失敗しないための注意点も紹介します。大切なポイントをしっかりと押さえて、理想の鼻を目指しましょう。
鼻中隔延長の失敗例と後悔した症例
鼻中隔延長は、左右の鼻腔を隔てる壁(鼻中隔)を伸ばして、鼻を高くしたり角度をつけたりして、悩みの改善を目指せる施術です。自身から採取した軟骨を移植するため、アレルギーを引き起こす可能性が少ない点が鼻中隔延長のメリットです。
このようなメリットがある一方で、以下のような後悔を招く失敗例もあるのです。
- 不自然な仕上がり(魔女鼻・大きすぎる変化)
- 左右非対称や鼻の穴の左右差
- 効果が物足りない仕上がり
- 経年変化による鼻中隔の歪みや軟骨の浮き出し
- オープン法の傷跡が目立つ
- 溶ける糸を使用した施術で元に戻ってしまう
鏡を見るたびに違和感を覚えることとなり、修正手術を考えざるを得ない状況に追い込まれるケースもあります。このような失敗を避けるためにも、失敗例や後悔した症例を覚えておき、リスクを十分に理解することが大切です。
不自然な仕上がり(魔女鼻・大きすぎる変化)
移植した軟骨が大きすぎると、不自然な鼻に仕上がる可能性があります。一例ですが、鼻の先端が尖りすぎた魔女鼻や鼻の長さが不自然に強調されるケースなど、顔全体のバランスが崩れてしまうことも。
また、移植した軟骨が大きすぎることで鼻中隔に大きな負担がかかり、将来的に移植した軟骨がずれてしまったり露出してしまうリスクも考えられます。
ずれてしまった場合は、見た目にも影響が生じてしまうため修正手術が必要です。
左右非対称や鼻の穴の左右差
左右非対称な仕上がりや、鼻の穴の左右差も鼻中隔延長の失敗例の一つです。もともと小鼻や鼻の穴の大きさは、左右非対称です。その左右差によっては鼻中隔延長後に、さらに左右差が強調されてしまうケースも。
もともと鼻の左右差が気になる人はカウンセリングの際に医師に伝えておき、元からの左右差を考慮しながら施術計画を立てると良いでしょう。
効果が物足りない仕上がり
鼻中隔延長を受けたものの期待していた効果が得られず、物足りないと感じるケースもあります。原因の一つにコミュニケーション不足が考えられます。悩み改善を目指すには、仕上がりイメージの共有が大切であるため、カウンセリングの際に自分の悩みや理想の仕上がりイメージを正確に伝えることが非常に大切です。
カウンセリングを受ける前に、具体的な悩みやどの程度の変化を望むのかなど、自分で整理しておくとよいでしょう。
経年変化による鼻中隔の歪みや軟骨の浮き出し
鼻中隔はもともと自分の鼻中隔軟骨の上に、採取した軟骨を移植する施術です。そのため土台である鼻中隔軟骨が歪んだり曲がったりすると、鼻も曲がってしまう可能性があります。
また、軟骨を移植する際に無理に皮膚を引っ張って前方に出しすぎると、鼻中隔が歪んだり軟骨が浮き出たりするリスクが高まります。
あまり欲張らず鼻先に負担をかけないように、全体バランスを見ながら調整すると良いでしょう。
オープン法の傷跡が目立つ
施術の際に視界が良いといった理由から、鼻先を露出させた状態で施術を行うオープン法を取り扱っているクリニックが多いです。オープン法は鼻柱を切開するため、数か月程度傷跡が残ります。傷が薄くなる期間や過程は年齢や個人の体質によって異なるため、過去に傷跡が治りにくいと感じたことがある人は、カウンセリングの際に医師に相談すると良いでしょう。
また、鼻柱の切開部分は上を向かない限りあまり目立ちませんが、ふとした瞬間に気になる場合もあることを覚えておきましょう。
溶ける糸を使用した施術で元に戻ってしまう
鼻中隔延長は鼻を切開して軟骨を移植する方法と、溶ける糸を使用した切らない施術もあります。溶ける糸による鼻中隔延長は、鼻先から溶けない糸を挿入し鼻の形を整えます。やがて糸が溶けると、効果も薄れてしまいます。ただし、糸が溶けたからといって、糸が切れたようにすぐに効果が失われることはないため、施術の特性を理解したうえでどちらの施術を受けるか検討しましょう。
鼻中隔延長で失敗しないための注意点
鼻中隔延長を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
- 大きな変化を求めすぎない
- 医師とデザインの認識を合わせる
- 経験と技術力の高い医師を選ぶ
- 溶ける糸での施術で様子を見る選択肢も
これらの注意点を意識することで、失敗や後悔を最小限に抑えられるでしょう。それぞれ詳しく解説します。
大きな変化を求めすぎない
大きな変化を求めてしまうと、不自然な仕上がりに繋がる可能性があるため注意が必要です。大きめの軟骨を鼻に移植すると鼻への負担が増えてしまい、鼻中隔が変形するリスクも高まります。顔全体のバランスを第一に決めて、あまり欲張らないようにしましょう。
医師とデザインの認識を合わせる
理想の仕上がりを目指すには、医師とデザインの認識を合わせることが大切です。お互いの仕上がりイメージに食い違いが生じてしまった場合、満足できない結果に繋がるでしょう。例えば想像以上に鼻が高くなってしまったり、鼻先の角度に満足できなかったりして、後悔する人もいます。
カウンセリングの際に悩みや希望の仕上がりデザインを具体的に伝え、すりあわせを十分に行いましょう。また、正面・横・上から撮影した理想の鼻の画像を提示することで、よりお互いの認識を一致させられるでしょう。
入念なカウンセリングとすり合わせ
入念なカウンセリングとすりあわせも欠かせません。「鼻を高くしたい」場合に、鼻のどの部分を調整するか、鼻先はそのままかなど、細やかなすりあわせが必要です。
納得のいくまで話し合うことが施術後の仕上がりに繋がるため、十分にカウンセリングを受けましょう。万が一疑問や不安が残る場合は、一度帰宅して考えたり他のクリニックに相談したりするのも一つの方法です。
経験と技術力の高い医師を選ぶ
鼻中隔延長は難易度が高い施術です。医師のスキルが仕上がりを左右するため、経験豊富で技術力の高い医師を選んだうえでカウンセリングを受け、総合的に判断して施術を受けるか検討しましょう。
スキルが高い医師であればこれまでの症例をもとに患者様に最適な施術が可能なため、満足度の高い結果を得られるでしょう。クリニックの公式ホームページやSNS内で、過去の症例や口コミを確認してください。
慎重なクリニック選び
満足度の高い仕上がりを目指すために、クリニック選びも大切です。
美容クリニックによって、料金・設備・環境・サービス内容・スタッフの対応などさまざまです。実際にクリニックを訪れて、雰囲気やスタッフの対応を直接確認してみるのも良いでしょう。十分に考える時間を確保するためにも、早めの行動がおすすめです。
溶ける糸での施術で様子を見る選択肢も
切開を伴う鼻中隔延長に不安がある人は、まず溶ける糸での施術を試すことも一つの選択肢です。リスクを最小限に抑えながら、鼻中隔延長後にどのように変化するのかを確認できます。
ただし、溶ける糸で行う鼻中隔延長は、切開を伴う施術よりも大きな変化は期待できない場合があります。また糸が溶けると元に近い状態に戻る点も含めて、検討すると良いでしょう。
鼻中隔延長の10年後に起こり得る変化とリスク
鼻中隔延長は一度施術をすると長期的に施術後の鼻を維持できますが、年を重ねるにつれて以下のような変化やリスクが生じる人もいます。
鼻中隔の曲がり
移植した軟骨が浮き出る
長期的な変化を考慮して、最適な施術を医師と相談しながら検討しましょう。それぞれ具体的に解説します。
鼻中隔の曲がり
経年によって、鼻中隔が曲がってくることがあります。移植する際に使用する耳の軟骨や助軟骨はもともと湾曲しているためまっすぐに加工してから移植しますが、経年により再度曲がってしまう可能性もあります。
また、もともとの鼻中隔が移植した軟骨の負荷に耐えられなくなり曲がるケースも。自身の10年後を見据えて、鼻中隔延長が最適か医師と相談しながら見極めましょう。
移植した軟骨が浮き出る
大きめの軟骨を移植すると、鼻中隔延長後に鼻先の皮膚が引っ張られた状態です。施術後は問題がなくても、経年により皮膚が薄くなり移植した軟骨が浮き出る可能性もあります。もともと皮膚が薄い人は特に注意が必要です。
鼻中隔延長の失敗・後悔の症例写真
鼻中隔延長についてのよくある質問
ここからは、鼻中隔延長に関するよくある質問にお答えします。
失敗した場合のやり直しは可能?
失敗しないための選び方のポイントは?
施術後の満足度を高めるコツは?
他にも疑問や心配ごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
失敗した場合のやり直しは可能?
何らかの問題が生じた場合やイメージ通りに仕上がらなかった場合は、再施術が可能です。ダウンタイムが落ち着き、鼻中隔が安定する6ヵ月後頃から受けられます。また、再施術の理由によってはかえって術後1-2週間以内で施術したほうが良いケースもあるため、まずは医師に相談してください。
ただし、再施術はリスクやコストが伴うため、医師と慎重に検討する必要があります。
失敗しないための選び方のポイントは?
失敗を避けるためには、医師選びが非常に大切です。鼻中隔延長に精通した医師や、カウンセリングを重視している医師のもとで施術を受けましょう。
また、メリットだけではなく、デメリットやリスクについて詳しく説明してくれる誠実な医師を選ぶのもポイントです。
施術後の満足度を高めるコツは?
鼻中隔延長は経年変化が起こる可能性があるため、変化を加味したデザインを希望すると良いでしょう。もともとの顔立ちに合わせた自然な鼻の高さや形を目指して、無理のない範囲で整えるのが、満足度を高めるコツです。
【まとめ】
鼻中隔延長は、自身の軟骨を移植することで鼻の高さや角度を調整できる魅力的な施術です。一方で、経年変化による影響やリスクが生じるため、10年後を見据えたうえで検討する必要があります。失敗例やリスクを念頭に置きながら、信頼できる医師のもとでカウンセリングを受けてください。
アリエル美容クリニック郡山院では、患者様の鼻の形状や皮膚の状態を把握したうえで最適なデザインを調整します。後悔せずに鼻の形を整えたい人は、お気軽にお問い合わせください。