小鼻縮小は笑えないって本当?対処法を解説
記事監修医師プロフィール
アリエル美容クリニック郡山院 院長
安齋誠基
- 岐阜大学医学部医学科 卒業
- 上都賀総合病院
- 大手美容クリニック 院長
小鼻縮小術は、鼻翼が広がった鼻や、鼻腔が目立つ鼻を小さく可憐な鼻に整える美容整形です。
しかし、「施術後に笑えなくなる」という噂を聞くと、怖くなってしまいますよね。
手術後のダウンタイム中には、腫れや内出血があるため、笑顔がうまく作れないこともあります。時間が経つにつれて腫れが引き、組織が回復することで、笑顔が自然に戻ることがほとんどです。回復にかかる期間は個人差があるため、不安を感じる方もいるでしょう。
本記事では、小鼻縮小をして笑えなくなったり、不自然な表情になったりする原因を詳しく解説します。ダウンタイム中に気を付けることや、笑えなくなるリスクを軽減する方法も解説するので、小鼻縮小を検討している方は、ぜひご覧ください。
小鼻縮小の施術とは?
まず、小鼻縮小の施術について術式や施術の流れを解説します。
施術の種類や方法
小鼻縮小術には主に切開法とメスを使わない方法があります。切開法には内側法と外側法があり、内側法は小鼻の内側を切開し、外側法は小鼻の外側を切開して余分な軟骨や皮膚を除去する方法です。
内側から切開すると、傷跡が目立ちにくいため、内側切開を選択する方が多い傾向にありますが小鼻の形態によっては内側法・外側法の両方を併用する場合もあります。
小鼻縮小には、メスを使わない方法もあります。小鼻縮小の埋没法は、鼻の中から糸を通して結んで小鼻を小さく見せる施術です。
また、ボトックス注射により、笑った時に小鼻が広がらなくすることも可能です。
切開法はより大きな効果が期待できますが、傷跡が残るリスクがあります。非切開法は傷跡が少ないですが、効果は比較的穏やかです。非切開法は、効果が一時的で、小鼻縮小効果を維持するには、繰り返し施術する必要があることがデメリットです。
施術方法の選択は、求める効果や小鼻の状態、リスク許容度によって決定されます。
施術の流れ
施術の前には、必ずカウンセリングを行います。理想の鼻の形を医師と正確に共有し、適した術式を選択するので、希望の鼻の形をしっかり伝えましょう。
切開法では施術部位を消毒し、麻酔を施します。切開法の場合、設計線に沿って切開を入れ、余分な軟骨や皮膚を慎重に除去します。その後、形を整えながら縫合して終了です。
非切開法の場合、局所麻酔をして糸や薬剤を挿入します。施術時間は30分から1時間程度が一般的です。施術後は圧迫固定を行い、腫れを抑えます。
外科手術でも入院の必要はなく、当日中に帰宅可能です。
術後は医師の指示に従い、定期的な経過観察を受けましょう。完全な回復と最終的な仕上がりの確認には数ヶ月かかることがあります。
リスクの一つに「笑いづらい」がある
小鼻縮小術のリスクの一つに「笑いづらい」という症状があります。
小鼻縮小後に自然に笑えなくなる原因として、以下の3つが考えられます。
- 施術の痛みが強くて表情を動かしにくい
- 皮膚のツッパリ
- 小鼻の動きが制限される
上記の症状は、過度な縮小や不適切な施術により、表情筋の動きが制限されることで起こります。小鼻周辺には表情筋が集中しており、筋肉の機能を損なうと、自然な笑顔を作ることが困難になるのです。
特に、切除範囲が大きすぎたり、縫合が強すぎたりすると、笑顔時に不自然な引きつれが生じる可能性があります。
また、神経や血管の損傷により、周辺部位の感覚異常や動きの制限が起こることもあります。
術後の痛みによる症状は多くの場合、時間とともに治まるので過度な心配は必要ありません。通常、1~2週間程度で徐々に表情が戻り始め、1~3ヶ月で自然な笑顔を取り戻せるようになるでしょう。ただし、過度な縮小や不適切な施術により、長期的に影響が残る可能性もあります。
小鼻縮小術のダウンタイムについて
小鼻縮小のダウンタイムの経過を、内側法と外側法で説明します。
【内側法】1-2週間程度
内側法は小鼻の内側から切開を行うため、外からは傷跡が見えにくいことがメリットです。
ダウンタイムは比較的短く、約1-2週間程度で落ち着くでしょう。
施術直後は腫れや痛みがありますが、3~4日程度でピークを過ぎ、徐々に軽減していきます。1週間後には腫れのほとんどが引き、日常生活に支障がなくなります。
ただし、完全な回復には個人差があり、メイクや激しい運動は2週間程度控えることがおすすめです。内側の傷は約1週間で抜糸可能となり、傷跡も目立ちにくくなります。
【外側法】2週間程度
外側法は小鼻の外側から切開を行うため、より大きな変化が期待できますが、傷が外側にくるためダウンタイムは内側法より長いことが特徴です。
腫れや痛みは1週間程度続き、2週間程度で日常生活に戻れるようになります。
ただし、傷跡が外側にあるため、完全に目立たなくなるまでには時間がかかります。メイクでカバーできるようになるのは1-2週間後くらいからで、傷跡の赤みが落ち着くまでには1~2ヶ月かかるでしょう。抜糸は約7-10日後に行われ、その後徐々に傷跡が目立たなくなっていきます。
多くが数ヶ月程度で収まる
小鼻縮小術後の完全な回復には、通常数ヶ月程度かかります。腫れや痛みなどの急性期の症状は1~2週間で軽減しますが、微妙な腫れや違和感は2~3ヶ月続くことがあります。
傷跡の赤みや硬さも徐々に改善し、3~6ヶ月程度でほとんど目立たなくなるでしょう。
ただし、完全に元の皮膚の状態に戻るまでには1年以上かかることもあります。また、最終的な仕上がりを確認できるのは6ヶ月から1年後になることが多いです。個人差が大きいため、医師の指示に従い、適切なアフターケアを行うことが大切です。
小鼻縮小手術後に笑えないリスクを軽減する方法
小鼻縮小後のリスクを軽減する方法は、以下のとおりです。
- 表情筋のエクササイズ
- 術後は休息をとる
- 痛みを管理する
- 激しい運動を避ける
それぞれ解説します。
表情筋のエクササイズ
表情筋のエクササイズは、手術後の自然な表情を回復させるのに有効です。
ただし表情筋エクササイズは、手術の傷がきれいに落ち着いてからにしましょう。
およそ手術から3-6ヶ月程度経過してから医師の指示に従って開始します。
具体的には、鏡の前で様々な表情(笑顔、驚き、怒りなど)を作る練習などを行います。また、口を大きく開けたり閉じたりする動作も有効です。
表情筋エクササイズは、1日に数回、各表情を5~10秒保持しながら10回程度繰り返します。エクササイズにより、手術で影響を受けた筋肉の柔軟性が回復し、自然な表情を徐々に取り戻せます。
ただし、痛みを感じる場合は無理をせず、医師に相談しながら行いましょう。定期的なエクササイズにより、3~6ヶ月程度で自然な笑顔を取り戻せるようになりますよ。
術後は休息をとる
施術直後から数日間は、無理な活動は控えて安静に過ごしましょう。無理に顔を動かすと、仕上がりがズレたり、傷の治りが遅くなったりする原因となります。
就寝時は頭部を少し高くした姿勢を保ち、横向きに寝ることは避けます。また、話すことや表情を作ることも最小限に抑えましょう。食事は柔らかい食べ物を選び、噛む動作を減らすことも有効です。適切な休息により、手術部位の炎症が抑えられ、表情筋への負担が軽減されます。結果として、回復が早まり、自然な表情の回復につながるでしょう。
ただし、長期の安静は筋肉の硬直を招く可能性があるため、医師の指示に従い、適切なタイミングで徐々にマッサージや通常の食事を再開することが望ましいです。
痛みを管理する
痛みを和らげる処置も必要です。なぜなら痛みがあると顔の筋肉が緊張し、表情を作りにくくなるためです。
痛みの管理は、医師が処方する鎮痛剤を適切に使用することを基本とし、冷却パックを使用して腫れと痛みを抑えることも心がけます。
患部を冷却する場合は、保冷剤を直接皮膚に当てずタオルやガーゼに包んで冷やしましょう。保冷剤を直接当てると、凍傷の原因になります。痛みのピークは通常術後2~3日目ですが、個人差があります。痛みが強い場合や長引く場合は必ず医師に相談してください。
激しい運動を避ける
ダウンタイムの腫れや痛みが落ち着くまでは、激しい運動を控えましょう。激しい運動は血圧を上昇させ、手術部位の腫れや再出血のリスクを高めます。また、顔に力が入ることで表情筋に過度な負担がかかり、回復を遅らせる可能性があります。
具体的には、ジョギング、ウェイトトレーニング、球技など、力みが生じるスポーツは控えることが望ましいです。
代わりに、軽いウォーキングやストレッチなどの低強度の運動から始め、徐々に活動レベルを上げていくとよいでしょう。
また、前かがみの姿勢や顔を下に向ける動作も避けるべきです。安静に過ごすことで、手術部位の安定した治癒が促進され、結果として自然な表情の回復につながります。
小鼻縮小術後の過ごし方
小鼻縮小術後の過ごし方について、気を付けることを解説します。
【仕事や学校】
小鼻縮小の手術後、翌日から仕事や学校に行くことが可能です。腫れや内出血が強い場合は、1週間ほど休むと不安が少なく過ごせるでしょう。
デスクワークなど軽作業であれば、すぐに仕事復帰できます。重いものを持ち上げるような力仕事は控えましょう。
復帰後も、激しい動きや長時間の会話は避け、適度な休憩を取ることが大切です。対面での仕事の場合、マスクを着用すると腫れや傷が隠せます。学生の場合、しばらくは体育を休む必要があります。
復帰のタイミングは医師の指示に従い、無理のない範囲で行動することが、スムーズな回復のカギです。
飲酒や食事
小鼻縮小術後の飲酒は、短くても2~3日可能であれば1週間程度は控えることが推奨されます。なぜならアルコールは血管を拡張させ、腫れや出血のリスクを高めるためです。また、抵抗力が弱まり傷の治癒が遅れる可能性もあります。そのため飲酒は傷口がふさがり始める1週間ほど控えると、より安心です。
食事に関しては、術後数日間は柔らかい食べ物を選ぶことが大切です。硬い食べ物や大きく口を開ける必要がある食べ物は、手術部位に負担をかけるため避けましょう。
具体的には、スープ、シチュー、ヨーグルト、パン粥などがお勧めです。また、辛い食べ物や熱い飲み物も控えめにしましょう。栄養バランスの良い食事を心がけ、特にビタミンCやたんぱく質を含む食品を積極的に摂取することで、傷の治癒を促進できます。
入浴
切らない小鼻縮小や切開であっても、施術の当日からシャワーが可能です。
湯船やサウナは、血行を促進して腫れや痛みが増幅する可能性があるので、1週間ほど避けましょう。高温や湿気が傷の治癒を遅らせ、感染のリスクを高める可能性もあります。
入浴再開後も、最初は短時間にし、徐々に時間を延ばしていきます。清潔を保つことは必要ですが、傷の治癒を優先することが大切です。
メイク
メイクは、抜糸が終われば可能です。
メイクを再開する際は、必ず医師の許可を得てから行いましょう。メイク再開後も、手術部位には優しく触れ、刺激の少ない製品を使用することが大切です。
傷跡を隠すためのコンシーラーやファンデーションを使用できますが、厚塗りを避けて肌に負担がかからないように心がけます。メイクアイテムを塗布する際は、こすらずに優しく伸ばし、落としやすいメイクアイテムを使うことがポイントです。
メイク道具も清潔なものを使用し、雑菌が付着しないように気を付けましょう。
就寝時の姿勢
小鼻縮小術後の就寝時は、頭部を少し高くした姿勢を保つことが大切です。顔の腫れを軽減し、血流を改善するためです。
いつもの枕に加えて、背中や首の下に薄い枕やタオルを追加して、頭が心臓より高い位置にキープできるように調整します。
また、横向きに寝ることは避け、仰向けで寝ることが望ましいです。横向きに寝ると手術部位に圧力がかかり、腫れや痛みが増す可能性があるためです。
就寝時の姿勢に気をつけることで、腫れの軽減が促進されて、回復が早まる効果が期待できます。
小鼻縮小術の症例写真
症例写真がありましたら掲載したく考えております。
小鼻縮小術についてのよくある質問
小鼻縮小術についてのよくある質問と回答を4つまとめました。
術後、笑えなくなることは多いのですか?
小鼻縮小術後に完全に笑えなくなったり、麻痺することはまれですが、一時的に笑顔が作りにくくなることはあります。術後の腫れや縫合による組織の引きつれが原因です。多くの患者さんは、術後1~2週間程度で徐々に表情が戻り始め、1~3ヶ月程度で自然な笑顔を取り戻せるようになります。
ただし、過度な縮小や不適切な施術により、長期的に表情に影響が出る可能性もあります。笑えなくなるリスクを軽減するためには、経験豊富な医師による適切な施術と、術後の慎重なケアがポイントです。また、医師の指示に従い、表情筋のエクササイズを始めることで、自然な表情の回復が期待できます。
施術の効果は継続して続きますか?
小鼻縮小術の効果は、適切に行われた場合、長期的な持続が期待できます。10年以上にわたって気に入った鼻の形を維持できることも珍しくありません。
ただし、加齢や体重の変化、皮膚の弾力性の低下などの自然な要因により、時間とともに多少の変化が生じる可能性はあります。
切開法は比較的長期的な効果が期待できますが、非切開法は効果の持続期間が短い傾向にあり、繰り返し施術が必要です。
効果の持続性は、施術方法や個人の体質、術後のケアなどにも影響されます。
また、喫煙や過度の日光暴露は、皮膚の質に影響を与え、結果的に効果の持続性を低下させる可能性があります。長期的な効果を維持するためには、健康的な生活習慣と適切なスキンケアが大切です。
術後の生活はどのような形になりますか?
小鼻縮小術後の生活は、ダウンタイム中には一定の制限がありますが、徐々に通常の生活に戻れます。通常、4~6週間程度で大部分の制限がなくなりますが、完全な回復には3~6ヶ月かかることもあります。ダウンタイム中は、入浴や激しい運動、鼻周辺に負荷のかかる行動を控えることが大切です。
ダウンタイムが終わっても、鼻への強い衝撃は避けるべきです。
変形するリスクがあるため、鼻を強くかんだり、ぶつけたりすることは避けましょう。
痛みは強いですか?
小鼻縮小術後の痛みの程度は個人差がありますが、一般的に中程度から軽度の痛みが数日間続くことが多いです。痛みのピークは術後1~3日目で、その後徐々に軽減していきます。
鎮痛剤が処方されるので、ある程度痛みをやわらげることが可能です。また、冷却することで、腫れと痛みを軽減できます。切開法の場合、非切開法に比べて若干強い痛みを感じる可能性がありますが、適切な痛み止めとケアで十分にコントロール可能です。
まとめ
小鼻縮小の後に笑えなくなるのは、手術によって鼻の形が変わり、表情筋の動きや感覚に影響を与えることが原因です。
笑顔は顔の表情筋の複雑な動きによって作られます。小鼻整形では、鼻の周りの組織や筋肉に手が加えられるため、術後に筋肉の動きがぎこちなくなったり、感覚が一時的に鈍くなることがあります。特に、笑ったときの自然な動きが制限されると感じる方が多いです。
ダウンタイム中にケアや静養をきちんと行うことで、不自然な表情や感覚は時間とともに治まります。無理せずに安静にして過ごすことが大切です。
小鼻縮小の施術を受ける際は、アフターケアまで丁寧に診療してくれるクリニックで十分なカウンセリングを受けることが大切です。
信頼できるクリニックを見つけて、理想の小鼻を手に入れましょう。